脳性まひの二次障害、当事者のお話

脳性まひの二次障害インタビュー2022

今回は、古くからの友人が二次障害になり、首の手術をしたという事で、お話を聞きたいと思い、名前や病院名など明かさない条件で、インタビューしてブログに書いても良い?と言ってみたら、快く引き受けてくれました。友人は脳性まひと言っても、私(さつき)よりずっと軽度なので、「二次障害になった」と聞いた時は、一瞬、驚きました。親として、育児や家事や仕事をこなし、とても頑張り屋さんな友人なので、心配なところはありました。

それでは、インタビューを始めます。

Q1 二次障害の症状はいつ頃から出でいたの?

去年の6月頃、急に首が痛くなってね。それで病院に行ったのよね。その頃 、他の病気の症状も出てきて、何が何だか分からなかったけどね。

Q2 どんな症状だったの?

首が痛くなって。しばらくしたら朝起きると手に痺れがきたり、上を向いたら痺れがきた。それで先生から「早く手術した方が良いよ。寝たきりになるよ」と言われたの。そうしているうちに、去年の11月頃かな。膝と腰も曲がってしまい、段々歩きにくくなってしまってね。今年の4月頃からは、車の運転も出来なくなって、歩いて駅まで行けなくなったので、仕事も辞めたのよ。

Q3 首の手術をするにあたって、どんなふうに感じたの?

「手術した方が良いよ」と、先生に結構、言われ続けていて、自分もこのままだと歩けなくなるなと思ってね。でも、二次障害に、ついになったか-って思ったよ。友達とか知り合いの人が手術したと聞く度に、そのうち私もなるんだろうなと思ってたからね。

Q4 手術する決断をした理由は?

歩きにくくなった事と寝たきりになるのも嫌だなと思った。最悪、現状維持が出来るならと思ってね。

Q5 入院期間は?

20日間。子どもの夏休み中の8月の予定だったから、もっと早かったんだけど、コロナの影響を受けて、延期になり、9月にずれ込んでしまった。

Q6 入院中の介助は必要だったの?困ったことは?

自分で立つ事は出来た。介助は、トイレとか看護師さんがやってくれたけどね。一番困ったのが食事。手術した翌日から「食べて良いよ」と言われたんだけど、手術した後だから痛くて痛くて、座って食べるのも辛いし、普通食だったから食べ物を口に入れる度に痛くて、思い通りに口が動かなくて辛かった。痛くて食べたいけど食べられないと訴えたんだけど、何も対策をして貰えず。。。旦那や友達とかにLINEで訴えたら、食事を柔軟食にしてもらったらと答えてくれた。それで、看護師さんに言って、ようやくご飯が食べられるようになったよ。 病院は、自分で言わないといけないんだね。こうしたら?ああしたら?と教えてくれないんだよね。看護師さんによって対応の仕方が全く違うんだよね。担当の作業療法士の人も脳性まひの人は初めてだったようで。。。

Q7 わかる範囲でどんな手術をしたの?

頚椎の手術。長年の積み重ねで、首の骨がすり減って曲がってきたところに神経が触っているから痛い。歩きにくくなる。それで、そこにボルトを入れて骨をまっすぐにして、神経に触らないようにする手術。1回目の手術は、ボルトを入れて手術後は車いすで移動した。2回目は腰の骨を削って、それでボルトを安定させる手術だよ。2回目の手術後は歩行器使って歩いて移動したよ。

Q8 手術前後、首や肩が凝ると言っていたね?どんな対処してもらえたの?その後は?

何もしてくれず痛み止めと、とにかく肩を動かしてと言われただけ。なので、先生に私は緊張しやすいからって話したら、筋肉をほぐす薬を出してくれた。でも、あまり痛みは変わらない。まあ、痛み止めがなくても我慢が出来る程度にはなったかな。

Q9 手術前と手術後で変わったことは?

手に力が入るようになったよ。手術前は、ペットボトルの蓋とかヨーグルトとかの蓋が開けられなかったけど、今は開けられるよ。まだまだ首の筋肉が固まっていて痛い。身体がまっすぐなら痛みは軽減するのかな。痛いので歩けないというのもある。歩きにくいのは変わってない。リハビリしてどこまで戻れるのか分からないよ。痺れは、手術前には何故か無くなっていたの。自分でもあまり分かってない。

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今回はここまで。

手術して間もないのに、インタビューに答えてくれてありがとう!
医療の進歩や医療体制が変わったようで、20年以上前の自分の手術と比べて、入院期間が短いっ!何より首を固定するハローベストを使わないという事に、噂では聞いていたけれど、改めて驚きました。術後、食べたいのに食べられないのは、スマホを使ってコミュニケーションが取れるとは言え、とても辛い事ですね。アテトーゼ型特有の緊張の事、脳性まひの人に対して、医療関係者の理解が乏しいのは、あまり変わっていないのは残念です。医療関係者の人達に、脳性まひの事を知ってもらえるような「研修とかしてほしいね」と、友人と話していました。「首の手術、よく頑張ったね!」と心から思うよ!
今後の友人のリハビリが上手くいって動けるように、歩けるようになることを願っています。また半年後か一年後にお話を聞けたらと思っています。

2022年10月

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