言語障害という障害とは…?

今更ひとり言を言っても仕方がないんだけれど、生まれつきの脳性まひで言語障害は重い方だ。子どもの頃はあまり話さなくて、気に入らない事があるとかんしゃくを起こしたり、泣き虫で人見知りで感情を上手く伝えることが苦手。笑うと止まらなくなるという性格なのか、障害からくるのか、分からないが、そんな感じだった。今でも根本的には変わっていないと思う。

学生時代は寮生活をしていた。緊張せずに話せたからか、今よりは話せていたのかな…。
姉妹(時々)や親友たちと夜遅くまで話していたことが懐かしい。
手足が不自由で言語障害。寮生活で一番苦労した事のひとつが、公衆電話から家にかけること。電話の前に立ち、受話器を取り、お金を目一杯(60円分)入れて、ダイヤルを市外局番から回す。ダイヤル回すのが遅かったり、番号を間違えるとお金を入れるところからやり直し。それだけでも疲れしまう。

「今度いつ帰る」という話をするために、すぐに通じる時は良いのだけれど、通じない時はお金がないと知らせる「ブー」に緊張。またお金(10円玉)を入れるのも緊張する。またまた話せなくなり、お互いに通じないもどかしさを感じる事がしばしば。最悪な気分になったものだ。
誰かに頼めばと思う人もいるだろうけど、自分ができることはやろうという気持ちがあったし、自宅に電話するのを頼むのは、何か恥ずかしくてできなかった。公衆電話は、100円玉も入れられるようになったのだけど、お釣りが出ないのは痛かった。その後のテレカの登場はとても画期的なものだった。もっと遅く生まれていたら良かったな。

言語訓練をした事もあったが、意味があったのか。よほど友人たちとお話や勉強など、みんな一緒にしていた方が良かったのではないかと思う。何故か友人たちとの緊張しない、くだらない話の方が良くも悪くも通じてしまう。重要な話も聞いてくれる姿勢の人には、こちらも話すことができた。幸い重要な話を聞いてくれる「誰か」は周りにいた気がする。

若くて独歩で動けていた頃は、一般就労を夢見て就職活動をした事はあったが、やはり電話の応対等で断られるケースが殆ど。あの頃、手足が不自由でしかも言語障害のある私が、一般就労できたとしても、身体的・精神的に辛くなって辞めていたと思う。何よりコミュニケーションが重要なのだと、理解したのは少し経ってからだ。その後、障碍者の授産施設の通所を経て、この場所に通い始めて20年経ってしまった。何処にいてもコミュニケーションは必要なのだ。

コミュニケーションツールが発達してきた現在はどうだろう。大事なことや急用は、電話の応対が必要な場面がまだまだ多い。ここ数年で聴覚も弱くなっており、更に言語障害が重くなったようだ。身近な人でさえも通じない。コミュニケーションの手段はスマホ、タブレット、パソコンでメールかLINEを使う事が多くはなっているのだが、事前にわかっている事ならメモしておけるが、とっさの時には、文字入力することに緊張して、頭が回らず、手が思うように動かせない。焦って時間がかかるし、上手く伝えられない。

最近、通院先の先生が変わるなど、初対面の人との関りが多かった。通院先によっては介助者がいない時もあり、いつも通院前に伝える事をメモして行っている。それだと自分の言いたい事だけ。先生からはほぼ何も質問が出ない。難しくなければ理解できるのだから、「はい」または「いいえ」の合図を決めて答えられるように質問してほしいのに。

初対面の人とは話しづらく、未だに子ども扱い(老人扱いかな?)されたり、相手から失礼な事(たぶん相手は気付かない)を言われ、傷ついてしまう事をほんの少しは理解してほしい。いつもはボーっとしているのに、時々こんな思いをしている私。

バリアフリー化が進む一方で、車いすで言語障害がある私にとっては、まだまだ優しいとは言えない世の中。身近な人ほど、コミュニケーションが多くなり、聞き間違いが多く、笑ってしまったり、なかなか伝わらない。コロナ禍でマスクの着用。またまたコミュニケーションが難しい時代になった。オンライン会議にも参加してみたのだが、話すことが難しかった。結局、チャット等になってしまった。ストレスが溜まるし、コンプレックスを感じる。
だけど私。コミュニケーションが下手なだけで嫌いなわけではないから・・・。

長くなってしまったので、今回はこの辺で。

言語障害という障害とは…?」への 6件のコメント

  1. さつきさん
    はじめまして(^^)

    最近、脳性麻痺だったということを知り、この様々な症状は二次障害だと知りました。
    脳性麻痺二次障害のことに詳しい先生(病院)を探していたところ、さつきさんに出逢いブログまでたどり着きました🤗

    私も若い時、歩行し普通に働いていたので、さつきさんの「懐かしい」の言葉にジーンときました。

    さつきさんの日記も拝見させて頂きました。
    私も同じで、健常者に負けないように頑張りなさい!と言われてきました。
    さつきさんと一緒で、生きるため生活するためかなり無理をしてきました💦
    まさか、二次障害というものがあるとは知らず💦😅

    行政や整形外科や、二次障害をなかなかわかってもらいにくいですね。
    行政から、器具に頼ると体が動かなくなりからもっとがんばってほしい。
    と、言われて(泣)
    足が24時間しびれ痛んで歩けなくなってきてるのに、これ以上さらに頑張らないといけないの? 家で泣いてしまいました。

    二次障害のみなさん、同じ気持ちされているかと思います。脳性麻痺二次障害もっと認知されるように私も発信していきたいです🌸(先生をみつけて生活環境が整ったら発信したいです)
    長々とコメントごめんなさい🙏

    1. みかんさん。
      はじめまして。さつきです。
      コメント、記事を読んで頂いて、ありがとうございました。

      脳性まひの二次障害について、20年前よりは、情報が増えてきていると思いますが、
      体験談の方は、まだまだ情報が少ないと感じています。

      加齢に伴い、ますます、身体が思うように動かなくなってきて、大変ですよね。
      医療分野の難しいことは分からないし、行政も地方によって対応が違うと思っています。

      頑張らなくて良いと思います。少しずつで良いので、情報発信していきましょう(*^-^*)

  2. さつきさん🤗

    こんにちは。
    お返事ありがとうございます。🤗

    そうですね
    かなり検索しましたが、体験談はあまりないですね。
    あと、
    脳性麻痺の二次障害に詳しい病院も少ないですよね(汗)

    無理して動かしたり生活すると、二次障害が増えてしまう。と、言うことをわかっていただくのはなかなか大変で病院選びに四苦八苦しています。
    でも、赤ちゃんや子供さんをみる病院は増えたようなきがします。

    さつきさんの体験談や記事は貴重だと思います。
    ありがとうございました。

    さつきさんも、無理なくすごしてくださいね🤗♥

    1. みかんさん。
      コメントとても嬉しいです。

      脳性まひの二次障害を診てくれる病院はなかなかですよね…。
      難しいかもしれませんが、
      まずはお近くの整形外科で診てもらい、そこで先生にも探してもらっても良いかもしれません。
      自分一人で抱え込まない事が大切だと思います。

      「もうやってます」だったら、ごめんなさい。
      痛いときは身体を休めてくださいね。
      早くみかんさんに良い病院が見つかりますように!

      さつき

  3. さつきさん(^^)

    温かいお返事ありがとうございます((泣))

    まだ、↑やってなくて(笑)

    脳性麻痺と違うと言われたり、別の病気を言われたりで、また別では違っていたりで、なかなか難航しています💦
    どのような病気にしても、二次障害はなかなか難しいのかもですね💦
    また、詐病みたいに思われてしまい、凹んでました。
    ドクターショッピングになるのもしんどいですね。
    でも、みなさん同じような思いをされてるのだと思います。がんばらないと💪
    さつきさん、ありがとうございました🤗

    1. みかんさん、お返事ありがとうございます。
      なかなか大変そうですね(^^;)

      ところで、みかんさんは障碍者認定を受けていますか?
      受けていないように見受けられますので、
      まずはそこから病院へのアプローチするのも良いかもしれません。

      無理せずに・・・。

      さつき

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