日本一風変わりなジャーナリスト

某冒険バラエティー番組に今や引っ張りだこのとあるジャーナリストの回顧録を読み始めた。
今までの著書を読んだ事がないので何とも言えないが、どうやら旅の記憶にまつわる話のようだ。
若かりし頃、ただ漠然と東南アジアの最貧国の孤島で変わった村があると聞き、潜入取材に出かけようとした矢先に番組のディレクターからドキュメンタリー番組の話を持ち掛けられた。
まさかその番組が人気番組になるはずがないとタカをくくりながら同行取材を始め、彼の楽観的な性格が功を奏したのか首都のスラム街を取材したまでは順調に行った。
だが安全面を考慮し、ディレクターには先に帰国してもらった途端、映像化へのプレッシャーからなんとかなるだろうから次第に何とかしなければという不安感に襲われた。
彼が帰国してからというものどんな手を尽くしても理想の取材先に辿り着けない状態のまま時が過ぎ、取材を受けられるのか受けられないのか全く分からないまま孤島近くの漁村にたどり着いた。
ガンマニアの大学生という無茶なキャラクターとして仲介者の協力でなんとか潜入し、取材した後に日本軍が占領したいわくつきの村だったという事が分かった。
ところが取材が一段落し、休憩中の会話からの直球的な質問が仇となり現場が一瞬凍り付いたにも関わらず吸い始めた煙草のお陰で難を逃れた。
製造現場を早く立ち去りたかったからなのか、その後の記憶が曖昧らしい。
かすかな記憶にあるのは異常な興奮状態の中で、首都に帰るバスに乗る前に立ち寄った食堂で飲んだビールが美味しかった事と初海外で大仕事をやり終えた達成感に満ち溢れた事くらいだそうだ。
まだこの先のエピソードは読んでいないが、意外だったのは番組には出てこなかった国と場所の話が紹介されていたのが非常に興味深かった。
ただ、個人的に残念だったのは後日談が一番知りたかったとある国の紹介がなかった事だが、個人的にはこの本の後編が出版される事を期待している。

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