"よりよい介助員制度を求めて"活動しています!With(ウィズ)
(2003.5.13.取材)

Withのみなさんに会のこと、また今年度より始まった「名古屋市の学校生活介助アシスタント派遣事業」についてお話を聞きました。 「念願の介助員制度は始まりましたが、毎日介助が必要であっても週2日しか派遣されなかったり内容としてはまだまだといったところです。この制度は、親の負担軽減等のためではなく、"子どもの自立のため"にあって欲しい。これからもっとよいものにしていきたいです!」とWithさんは話していました。

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Q:Withの紹介をお願いします。
With:2002年9月に正式に発足しました。現在、会員数は11名で、半田市や一宮市の方もいますが、名古屋市在住の普通校に通う肢体不自由児の親が多いです。 毎月第2日曜日に定例会をしています。会場探しが大変でしたが、桜山の憩いの家を定期的に借りられることになりホッとしています。会議中は子どもの面倒をボランティアさんに見てもらっています。

Q:どのようにして知り合われたのですか?

With:療育関係や訓練施設、公立の保育園から紹介されたり、あとは口コミです。

Q:活動を始めたきっかけは何ですか?

With:就学前は子どもたちは健常児と、親の付添なしで過ごしてきました。でも、普通学級に入学をすると、親の付添が必要となってきます。 介助は必要ですが親ではない人に介助していただくことに意義があると考え、介助員制度の確立を求め、会を立ち上げました。 まず、2002年8月に名古屋市と愛知県の教育委員会に介助員制度についての要望を伝えました。このときは、市・県から前向きな回答は得られませんでした。 偶然ですが、仲間の知り合いに市会議員の方がいて面会していただき、介助員制度の必要性についてお話をしました。11月の名古屋市定例議会で、その市会議員さんに「肢体不自由児の教育環境整備について」質問していただけることになり、教育委員長の「前向きに検討します」の回答がありました。また、今までにも先輩のお母さん方が子どもの自立を願い活動されていたこともあり、学校生活介助アシスタント派遣事業に繋がっていったと思います。

Q:お子さんの学年と障害の状態や学校生活のこと(介助員派遣前)を伺ってもよろしいですか?

Nさん:小学1年です。脳性マヒですが、下肢障害なので、クラッチ杖をついたりPCW(歩行器の一種)を使用。登下校は車いすで、親が押して行きます。トイレはひとりでできますが、移動と体育の授業の補助があるので、親はずっと別の教室で待機しています。体育は同じ内容のものをしていて、親が抱きかかえたりするなどの介助をしているので大変です。授業については、隣の席の子のを見たりして、ついていっているようです。本人は、元気いっぱいの子で、クラッチ杖をおいてハイハイの状態で移動していったりと親を心配させるくらいです。クラスの友だちとも仲よくやっています。

Sさん:うちは保育園の3年目です。 今はハイハイして移動。整形の先生の薦めで車いすは就学してからということになっています。発達に少し遅れがあります。地域の学校(普通学級)へ行きたいですね。

Oさん:小学1年です。水頭症です。発達に少し遅れがあります。就学前になんとか歩けるようになったかな。外の道はデコボコしているところもあるので、手を繋いで歩いています。トイレはひとりでできます。登下校は分団で姉と一緒に行っていますが、本人に気づかれないように親は後からついて行って。親は学校での介助はしていません。体育館など、校内の移動は先生にしていただいています。遠足のとき学校側から、「お母さんなしで行ってみようか」といわれました。勉強については、学年が上がってきたときのことを考えると心配です。子どもは自分の障害について、できないということを気にしているようです。

Mさん:小学2年です。 クラッチ杖をついて元気にやっています。親は登下校、体育(プールも含む)、移動をともなう授業などに付き添っています。

※With:普通校への就学については、教育委員会から連絡はなく、地域の小学校へ相談に行きました。子どもの障害の状態を考えて、養護学校か普通学級かすぐには決めかねましたが、迷ったすえ地域の小学校へ通うことを希望しました。

Q:介助員が派遣されるようになったと思いますが、どのような状況ですか?
Nさん:まだです。内容としては、アシスタントの性別は希望できます。でも、派遣回数・時間(終日付添の場合:1日7時間、年間60日以内。必要時に付添の場合:1日4時間、年間60日以内)については介助の内容等に関わらず一律で決まります。うちは週2日、派遣されることになりました。先生と親と派遣会社の方(名古屋市は「学校生活介助アシスタント事業」をピープルスタッフ株式会社に委託)とで話し合って決めましたが・・・。 介助員は学校に派遣されるのではなく、'その児童・生徒'ひとりに介助員がひとり派遣されるので、トイレ介助が不要な場合など'待機'が多くなってしまいます。体育の時間が水泳になった場合、介助員は入水はしないということなので、親が行くことになります。

Q:始まったばかりの制度ですが、どのようなことを思われていますか?
With:親の病気などの理由で親が介助につけないときや負担軽減の点から、介助員は派遣されることになっているので、申し込むときの理由はそのように記載しないといけません。 また、学校によっては、外部の人(介助員)を入れたくないのか、介助は親でよいのではないかというところもまだまだあるようです。この制度を利用できる人であっても、申込みを諦めてしまっている人もいます。介助員制度が始まることも新聞の報道で知った人が多いです。制度を知らない人さえいます。学校側でもっと積極的に情報をだしていって欲しいですね。先日、この制度の説明会がありましたが、参加されていない学校もありました。該当する児童・生徒さんがみえないからでしょうか? これは、残念でしたね。 そういった点からも、同じ制度を利用しても学校によって、格差が生じるのではないか?、同じ1時間でも待機の方が多い場合、介助員側の不公平感がでるのでは?と思っています。 また、階段の移動介助(車いす)は危険なことということで、その場合は先生を呼んでくださいといわれました。介助員は抱きかかえて移動することは禁止されています。

Q:「介助員制度」を必要とする理由は何ですか?

With:今までは、親が介助することで本人の社会的自立を妨げたり、他児童生徒への影響が心配でした。本来、すべての子どもがその子の能力に応じた教育を受ける権利があります。肢体不自由児にとって教育を等しく受ける為にも、介助員制度の導入は意義のあるものと考えています。学校を終え、社会にでたときのことを一番に考えます。 他人との関わりの中で、自分でできないことは人にお願いする、してもらったらありがとうがいえるように。地域の大勢の子どもたちの中で、見よう見まねでもよいから、やっていって欲しいですね。

Q: 今後の予定は?
With:まず、アンケートを考えています。介助員を必要としている人は、まだまだいますが、表面にでていません。それから、介助の量もさることながら質を向上させたい。 また、学年が上がってくると「評価の仕方」について気になるところです。例えば、筆箱から定規を取り出すのは介助になるが、定規を押さえ線を引くという作業は学習指導になるそうです。内容は理解していても、障害が理由で作業ができない場合、成績としてはよくないのでしょうね。

◆お話を伺って・・・ ニーズに合った介助員制度を考えていきたい!というWithのみなさん。本当にパワーがいっぱいでした。当然のことを声にだしていける時代になってきたんだと実感しました。私が小学生の頃は、外に向かって声をだすことは考えられなかったです。家庭の中でなんとかしましょうみたいな・・・。さて、介助員制度は始まりましたが、名古屋市が考えるこの制度の趣旨が、「負担軽減のため」から「子どもの自立のため」に変わるのはいつのことでしょうか? 本当は子どもの自立のためにあるべきです。また、市と親とでは、介助員のあり方に対する考えが違います。子どもと直接ふれあう介助員はどう対応していくのか、気に掛かるところです。この制度によって、子どもたちが、どんどん、世界を広げていけますように。ちょっと手を貸してもらえばできる!そんな自信をもってほしいです。

■問い合わせ With 
E-mail:maria-agunesu@nifty.com
HP準備中
☆会員募集中・・・年会費3000円

■問い合わせ 名古屋市教育委員会 指導室
TEL:052−972−3235 FAX:052−972−4177

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◎介助員制度を実施している政令指定都市に聞きました。

●横浜市*「学校生活支援事業」
Q:実施はいつからですか?
A:平成7年度からです。

Q:現在、利用者(小・中学校)は何人ですか?
A:171人(平成13年)が利用しています。(14年度は集計中)

Q:介助の内容は? (トイレ、食事、校内移動、着替え介助以外)

A:登下校の介助、校外学習時の介助、修学旅行時の介助をしています。校内において、安全配慮の点から介助しているケースもあります。直接、教育活動・指導にあたることは業務の範囲外としています。

Q:利用時間、日数の上限は?
A:40日を上限としています。ただし、やむを得ない事情がある場合は、状況に応じて対応しています。1日の利用時間は7時間以内です。

Q: 介助員の配置の前提は?
A:普段は保護者が介助についているという前提で、その保護者が病気等の事情で介助できない場合に、負担軽減のため配置しています。

Q: 介助員は、児童・生徒に配置?学校に配置?

A:児童・生徒につきます。従って、1校に該当する子どもが複数いる場合、同時に複数の人が配置されていることもあります。

Q:事業を 委託をしていますか?
A:していません。介助にあたる人の手配は学校の責任で行い、保護者や学校からの書類の処理、賃金の支出などは教育委員会で行います。
※盲・ろう・養護学校の登下校の付添にも配置できるようにしました。

■問い合わせ 横浜市養護教育総合センター 企画課
TEL:045−336−6002 FAX:045−333−1455

●神戸市
介助員制度はなく、平成4年度から介助ボランティアがあります。 介助者については、各学校で考えていくこととなっており、普段は教師や親が対応しています。介助者の必要があった場合、学校が教育委員会へ申請します。委員会が認めた時間について、学校が介助ボランティアを探す形です。校外学習等につきます。利用時間は1日7時間以内で、日数を決めます。

■問い合わせ 神戸市教育委員会 指導部
TEL:078−322−5789 FAX:078−322−6159

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AJU福祉情報誌第64号で紹介しています。

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